Vol.12 マダニって・・・?

フタトゲチマダニ、クリイロコイタマダニ、ヤマトマダニ・・・。なんだか早口言葉のような名前ですが、これらは犬や牛などに寄生するマダニの名前です。犬を飼っていればこのダニたちに遭遇することはたびたびあるかもしれませんが、通常、一般人にとってダニといえばテレビのCMでよく見かける家ダニのような顕微鏡でしか見ることのできないダニを想像するのではないでしょうか?かくいう私もその一人でした。

初めてこのマダニを見たのは大学に入ってからでした。大粒の小豆くらいの大きい塊で、色は濃い灰色、ちょうど石を磨き上げたときのように艶やかにテカっており、最初は人工的な何かが犬にくっついているのかと思い、そいつを取り払おうとしました。しかし案の定簡単に取れるわけがなく、不思議に思いながらもそれと犬の接合部位をじっくりと観察してみました。・・・足がある、と思った瞬間こいつは生き物だと理解し、ゆっくり取り外しました。先輩に見せると「マダニ」と教えていただき、そこで初めてマダニだと分かったのです。

改めて観察してみると「腹」に相当する部分が大きく膨れており、そこにヒビというか亀裂というか数カ所のくぼみが見られ、(たぶんこれは大量に吸血することにより腹が膨張した結果、皮がのびてしわができたと勝手に想像。。。) そのでっかい体の割には手足がごく一部に集約され、なんだかドリフのコントに出てくるお相撲さんを連想してしまいます。(分かってくれる人にしか分からないかなぁ〜。(^^)) 

しかし、このマダニのすごい?ところは、ドリフのお相撲さんは倒れると誰かの手助けがない限り起きあがることができませんが、マダニはひっくり返しても器用に起きあがることができるのです。(場所によっては無理なところもありますけど。)診察中にこのダニを発見して取り除いた時、ダニをつぶせばいいんですが、血が飛び散るのがちょっと嫌なのでとりあえず仰向けにひっくり返して置いて診察の続きをしていると、気がつけば体勢を戻してカメのようにのろのろ歩いていたりしています。深い皿に入れておいてもダニたちは体が重いだろうに器用に壁をのぼってきます。敵ながら天晴れな奴です。

 でも、このマダニはワンちゃんにも人間にも怖い病気を持っておりますのでくれぐれもみなさまのワンちゃん、ネコちゃんにはマダニの駆除剤をしっかりと使ってください。病気についてはまた今度のコラムに気が向いたら掲載したいと思います。(^^ゞ