Vol.5 ペットの食事について考えてみよう その1

開業をした2002年8月、我が家にイヌが新しく仲間入りをしました。ゴールデンレトリバーの女の子「クリン」です。まだ名前の付いていなかった頃、暫定でクリーム色の毛並みから「クリーム」と呼んでいたら、上の子供が「ム」を「ン」としか発音できなくて「クリン、クリン」と呼び始めたのがきっかけでそうついてしまいました。

私はどちらかというとネコ派なのです。ネコは散歩に行く必要もなく、トイレも簡単に覚えてくれるし、日頃の健康管理もイヌ以上にお金がかからない。イヌに較べると大きくならないし、それゆえに餌代もあまりかからない。こうごちゃごちゃと理由を並べてみると、自分が単に貧乏で面倒くさがりというだけで、実際はネコ派とかそういうレベルではないのかもしれません。(^^ゞ

そういう意味では私は正直、最初クリンを飼うという自信がありませんでした。毎朝散歩なんてとんでもないし、トイレ管理もしなければいけない。しかしいざ飼い始めると、これがなかなか楽しかったりするのです。毎朝の散歩も布団から脱出するのはなかなかつらいものがありますが、散歩を始めるとあとはクリンが引っ張ってくれて、まだ寝ていた体が次第に目覚めていきます。いい運動にもなるし、クリンにとっても散歩は楽しいだろうし、こう考えてみると散歩をするという満足感が得られます。
  クリンは食べ物『命』の女の子です。ドッグフードを食器に入れて「待て」をさせると数十秒で食器の周りは、よだれの水たまりができてしまいます。「よし」と号令をかけると数秒でドッグフードはなくなり、皿を舐めまわし、周囲に落ちていないかしつこく探し回っています。また、クリンは普段リビングにいるので、食事時などはとても熱い視線を感じます。飼い主さんが人間の食べ物をよくあげているのが十分に理解できる瞬間です。(o^^o)

人間の食べ物はやっぱりあげないに越したことはないと思います。けれども、家族の一員として、コミュニケーションの一つとして、飼い主の欲求を満たすものとして、多少は目をつぶってもいいんじゃないでしょうか?きっとみなさんも動物病院で「人間の食べ物は絶対与えてはダメですよ。」なんて口すっぱく言われているかと思いますが、私は人間の食べ物を与えていない獣医さんなんて見たことありません。当然私もその一人でしょうが・・・。ただし、人間と動物の体重比をよく心得た上で与えないと必要以上のカロリー、塩分、糖分量を摂取してしまうことになりますのでその点はくれぐれも注意が必要です。また、イヌではネギ類による中毒を起こしやすいですし、鳥や魚の骨は、食道や胃腸などの消化器官に重大な障害を起こす危険があります。消化不良による下痢を引き起こすこともあります。与える量だけでなく、与える物も十分注意を払うべきです。我々獣医の注意している点はまさにそこなのです。飼い主によっては食事コントロールがうまくできない方もいらっしゃいますので「与えない」と伝えた方が事故も起こり得ないわけです。

みなさん、ペットへの食事についてもう一度考えてみませんか?(^_^)