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Vol.6 狂犬病について一言

みなさん狂犬病って聞いたことはありますよね?でもどのくらい詳しく知っていますか?「日本にはいなくて、発展途上国に蔓延しているこわい病気」程度ではないでしょうか?私は、大学に入るまでは少なくともこの程度の知識しか備わっていませんでした。


狂犬病はラブドウイルスというウイルスによって発症します。主に咬傷によって感染し、感染動物はイヌだけでなく哺乳動物すべてに感染します。また、感染を受けても発症するまでに2週間から数年の期間があります。発症した動物(ヒトも)は現在のところ、どのような治療をしても苦しい思いをしながら100%死亡します。各地で発生しているこの狂犬病は、日本では、1954年がヒトでは最後の感染患者です。また、イヌでは1956年で最後に確認されています。それ以降の発生は確認されていません。これは島国という隔離された環境と、狂犬病予防法により徹底してワクチンが実施されたことが排除へと導かれたと考えられます。 私が大学を卒業する頃、狂犬病のワクチンをやめようと言う話を聞いたことがあります。みなさんはどうお考えでしょうか?確かに年一度とはいえ、イヌをつれて病院や集合注射に行かなければならないし、毎年費用もかかってきます。また、ほとんど起こることはありませんが、ワクチンによる副作用の心配もしなくてはなりません。

ところで、以前に話題になった狂牛病のことは覚えていますか?これはウイルスによるものではありませんが、日本にはいないとされていた病気です。対岸の火事のように考えていた日本は重要視をせず、輸入規制も、検疫も非常に甘くしていたわけです。しかし、国内の発生が確認されると人々は突然牛肉を敬遠するようになりました。自分に身近な事件になり、死ぬかもしれないと言う恐怖が出てきたからですよね?

日本は狂犬病の発生がなくなってから、症状を見たことのある人は非常に数少なくなり、記憶から忘れ去られようとしています。私も見たことありませんし、本の上でしか存在を知りません。狂犬病予防法をつくったのも当時はとても恐怖に満ちた病気だったからこそ施行されたものだと思います。現在、輸入動物も多くなり、同時に密輸入もあいかわらず行われています。しかも国内で逃げるケースもあるでしょうし、飼えなくなって捨ててしまい、野生化させてしまうケースもあります。みなさんが狂犬病を行うことで予防ができ、万が一国内で発生しても最小限に抑えられるのです。是非ワクチンを接種してください。


参考資料:厚生労働省検疫所