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Vol.8 燃費の悪いノミ   ※2024年加筆・一部修正しました

 毎年夏になると必ずお見かけするようになるのがノミとマダニです。我が家の猫は室内飼育なのでノミとはほぼ無縁の状態のはずでした。しかしながら数年に1回程度はノミの寄生を見かけることがあります。結局の所私がノミやノミの卵をお持ち帰りしてしまっているようなのです。

 ノミっていろいろな病気を引き起こします。うちの猫は最小限で済みましたが、それでもノミアレルギー性の皮膚炎を起こしました。あちこちブツブツの湿疹ができて痒そうでした。またノミ糞もたくさん散らばっていました。
 このノミ糞はノミが猫から吸血し、必要な栄養を吸収して排泄した物です。その糞を水につけると血液がにじみ出てきます。吸血した栄養素を余すとこなく吸収するなら、まだ良いとしても、彼らはノミ糞を大量に排泄します。燃費がとにかく悪い。
 ノミは一日に0.05-0.1ml吸血すると言われています。大した量ではないかもしれませんが、ノミが10匹いれば最大1日1ml。成虫は10-20日生存しますので、10匹のノミは生涯10-20mの血液を消費する計算になります。また、繁殖力も高いため、この状況が続くと貧血を起こす可能性も十分出てきます。

 予防をするための製剤は各社より様々な物が出ています。ペットショップやホームセンターで販売している物もありますが、これらの多くは医薬部外品なのでノミを駆除する効果は低く、寄せ付けないような効果しかありません。また、のみ取りシャンプーもノミは気絶するだけで完全には排除できません。しっかりと予防を行うには動物医薬品の製剤を使用しましょう。

 ノミはとても小さい虫ですが、侮ることはできません。毎年暖かくなる3月頃より予防を心がけましょう。