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Vol.11 ペットの食事について考えてみよう その2   ※2024年加筆・一部修正しました

 以前、ペットフードのコラムに「その1」なんかつけてみたりしているくせに、「その2はいつ出るんじゃ?」と知人につっこまれてしまいましたので、そろそろ重い腰を上げてみたいと思います。 私が「その1」を掲載したときに、飼い主さんとの会話で「どのメーカーのペットフードがいいんでしょう?」という質問を時々いただいていたので私なりの意見を出してみようと思ったわけです。ただ、非常に大きいテーマですのでまずは「その1」でついついあげちゃうおやつをサブテーマとして掲載しました。今回はいよいよ(やっと?)本題です。

 先に結論から申しますと、「聞いた事のあるフードメーカーならどれでもいいんじゃない?」です。昔は、当たり前ですけど犬猫に必要な栄養はまだまだよく分かっていませんでした。それゆえに同じメーカーの食事をずっとしていて肝臓が悪くなったとか、食べている子全員が同じような障害を起こした、などの事件も起きていたようです。現在はほとんどのメーカーはAAFCO(全米飼料検査官協会)やペットフード公正取引協議会などで策定している栄養基準を満たしています。(満たしてなければ表記はされていないはずです。)この基準を満たしているようなフードであれば問題ないと考えていいでしょう。
 ただ、それぞれメーカーはテーマを持って製品作りに取り組んでいます。例えば、食べたものはなるべく消化吸収をさせて糞便量を少なくさせたり、アレルギーを出しにくいような素材を選んだり、食べやすいように、歯石がつきにくいように、コストが上がらないように・・・etc。飼い主としてはコストがかからないのがいいに決まっていますが、人間も同様に「食」は体の源でもあるわけで、決して無視できるものではありません。是非その子にあったフードを考慮しながら選んでほしいものです。

 もう一つ、これだけはお薦めできるのは、ドライフードをできれば選んだ方がいいという事です。現在市場に出ている製品のほとんどは、ドライフードとウェットフード(缶詰)とソフトモイスチャー(半生)タイプに分けられます。ドライフードはちょっと硬くて嫌いだという子も多いですが、一番コスト的にもかかりませんし、開封後も一番長持ちしますし、なんと言っても歯石が一番つきにくい製品です。
 ただ、気をつけなければいけないのは水分が少ないだけに、重さ比較をするとカロリーが高めです。少ないなあと思う位を与えてやるのがポイントです。(もちろん個体差があるのですべてには当てはまりません。)


 反対にお薦めできないのはソフトモイスチャーと呼ばれている半生タイプのフードです。見た目は適度な柔らかさで、実際犬猫に与えると私の感じるところでは一番よく食べる製品ではないかと思います。
 しかし、この製品の多くには水分を保持するために脂肪やプロピレングリコール等の成分を配合しています。脂肪でコーティングされたフードはやっぱりおいしいでしょうね。たまにこれらを与えるのはいいと思いますが、日常のフードとしては成分的にいかがだろうと思ってしまいます。
 これらの製品はほぼ全て酸化を防ぐために少量の包装で分けられています。ネコにこの半生製品が見あたらないのも肝臓の解毒作用が犬と比べて低いからではないかと思うのですが。。。

 昔(2000年前後の話)はこの半生製品でいろいろと実際に問題が起きていました。現在もペットフードの主流になっていないのは何かしら問題があるからだと思っています。とは言え、昨今ではいろいろ研究された結果、製品化されていると思いますので頭ごなしに否定する物ではありませんが、できればドライフードや缶詰等の製品をおすすめしたいと思います。

フードについて言いたい事はやっとすべて言い切りました。(^^)日頃から人間も含め健康を願うのでしたら食生活をもう一度見つめ直すのもいいかもしれませんね。