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Vol.7 フィラリアについて語ってみよう   ※2024年加筆・一部修正しました

 やっぱり季節柄から言ってもこの話題を避けるわけにはいかないでしょう。だだ、フィラリアについてはおそらくちょっと調べたらいくらでもできますので、フィラリアって何だろう?と思っている方は簡単な記述ですがコラムVol.3を読んでいただくか、ググってください。

 昔のフィラリア予防薬というのは蚊のいる時期に毎日飲ませるようなお薬でした。やはり毎日飲ませるというのは大変で、なかなか続かなかったり間が空いてしまったりと飼い主、獣医師ともにいろいろと苦労をしていました。月に一度の内服薬が登場したのは私が大学に入った頃だと思います。(確かではありませんが、この頃から月に一度の予防が中心になってきたのは間違いありません。)それからというものフィラリア予防薬はいろいろな種類が増え、現在では、月に1回や3ヶ月に1回の内服や背中に滴下する外用、また1年間効果の持続する注射も存在します。(当院では副作用を考慮して注射は行っておりません。)

 飼い主さんも蚊の発生する時期になると忘れずに投与される方が非常に多くなりました。私が横浜で勤務していたときは年に10頭程度フィラリアに感染しているワンちゃんにお目にかかっていたでしょうか。さて、香川県ではいかがでしょう?私は当初、田舎と言うこともあり、フィラリア陽性の子はそれなりに出てくるだろうと予測していました。ところが、私の予測を遙かに上回る勢いで陽性のワンちゃんが来院されました。おそらく開業半年で、横浜で勤務していた5年分のフィラリア陽性犬頭数を超えたと思われます。重症のワンちゃんも度々来院されています。でももっと驚いたのはフィラリア自体をご存じない飼い主さんも結構いらしたということです。

 開業より20余年たった現在では、フィラリア症の認知度もすっかり定着しています。フィラリア陽性犬はまだ毎年見かけますが、頭数は本当に少なくなりました。重症例に関しては年に1回見かけるくらいでしょうか。見かけなくなったとは言え、毎年感染例がある以上は感染してしまう可能性は十分にあります。毎年忘れずに予防をしましょう。